感染性胃腸炎の原因となるウイルスです。ノロウイルスは直接接触、飛沫感染(咳など)はもちろんですが「空気感染」をするところが一番の怖さです。空気感染とはおう吐物や排泄物の中身が空気に漂い、部屋に拡散するだけで感染してしまうことです。感染力の強さに関してはチャンピオンクラスの強さがあります。
保育園では園児がおう吐した場合
- 他の園児を遠ざける
- おう吐物に新聞紙などを被せて空気感染を抑え、次亜塩素酸水(ハイターの希釈液)で速やかに消毒を行い
- おう吐した園児の(おう吐物が付着した)衣服を脱がせてビニール袋に入れて(可能なら次亜塩素酸水で浸す)密封
- 専用手袋でおう吐物を処理・密封した後に、おう吐物があった床については再度消毒作業を行い、その後で改めて園児や職員自らを流水などでしっかりと洗ってウイルスを洗い流し、部屋の空気を入れ替える…汚物がついた職員の衣服は次亜塩素水に浸してこれもビニール袋に密封し、多くの吐しゃ物を浴びた職員は即帰宅し、それほどでもない職員は帰宅後すぐにシャワーを浴びるようにしています。
という作業を同時多発的に行っています。それくらいしないと感染は防げないのです。
集団給食を作る調理員などは自らが感染源になるのを防ぐため「調理員である間、牡蠣は食べない」という誓いを立てている方も多数いるほど本当にやっかいなウイルスなのです。
一度侵入を許すと体内には長い場合で約1ケ月も残留し、便によって感染を続けるのも集団生活にとっては脅威です。
信和保育園では1日のうちに何度も園児が多く接触するドアノブ、机、椅子などを次亜塩素酸水で拭き消毒し、保育終了後には保育室の床を拭き上げ、遊具については1回使用するたびに消毒したり日光消毒したりしています。保育園がおう吐や下痢に関して厳しい基準を設けているのは「ノロウイルス対策の為」といっても過言ではないのです。
注意するべきは、保育園で爆発的に感染する…という同じことが家庭でも起こり得るということです。紙パンツなどの処理は素早く、そして必ず密封すること。手洗いは爪の間もゴシゴシ洗うこと。外出から帰ったら真っ先にシャワーを浴びてウイルスを洗い流すこと…以上をしっかり実践して下さい。
今回は一度に多くの感染がみられたことから5日夕に早良区保健所の聞き取り調査が行われました。当分の間、信和保育園はノロウイルス厳戒態勢を取ることになります。体調不良、食欲不振、おう吐・下痢症状がみられた場合は保育園に連れてくる前に医療機関の診断を受けるなど、ノロウイルスそのものを保育園から遠ざけていただけますよう、保護者の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
(令和3年11月6日 園 長)